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第50回大河内記念生産賞

立体成形回路基板(MID)技術の開発と実用化

 

近年の携帯電話に代表される電子機器の小型化に伴い、構成部品の高密度化、複合化がますます要求され、組み込まれる回路基板も平面的なプリント基板などの従来技術だけでは対応しきれなくなってきた。この課題を解決するために、射出成形された立体形状の成形品の表面に直接、立体的に電気回路を形成する立体成形回路基板(MID:Molded Interconnect Device)技術が注目されていた。

当社は従来のMID技術に加えて当社のコア技術である「成形加工技術」と「表面処理技術」に、技術革新が著しいレーザ加工技術を融合した独自の「立体微細複合加工技術」(MIPTEC)を開発し、世界に先駆けて実用化した。このMIPTECの特徴は、

(1)IC等のベアチップ直接実装(Chip on MID)

(2)90度壁面への微細回路形成(回路幅/回路間隔=30/30μm)であり、これを実現するために樹脂成形から部品実装までの広範囲にわたる次の4つの技術開発に成功した。
1) 高密着回路技術(金属と樹脂の化学的結合)

2) 微細3次元レーザパターニング技術

3) 高信頼接合技術(Chip on MID)

4) 冷凍固定切断技術

この技術を使って、(1)超小型人体検知センサ(2)携帯電話用超小型カメラ基板(3)車載用光送受信モジュール(4)LED照明モジュールを開発し、デバイスの小型化、高機能化を実現した。

このような特徴をもつ本技術は、急速に小型電子機器市場に受入られ、国内MID市場でのシェア№1に至っている。今後も本技術が業界をリードし、電子機器の小型化、高機能化に寄与できるものと期待されている。